巨大ビーバーが氷河期に存在して滅んだ理由は何だったの?現代のビーバーとの違いも明らかに!(イギリス研究)

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北米の湖沼や湿地帯にはかつて巨大なツキノワグマの大きさのビーバーが歩き回っていたのです。人間にとって幸運なことにツキノワグマサイズのビーバーは氷河期の終わりに絶滅したのです。絶滅した今になってわかったのが巨大なビーバーはかつて非常に繁栄した成功していた種だったと言わざるをえないという事が明らかになりました。科学者たちは、ビーバーの化石がフロリダからアラスカそしてユーコンまでに残っている事をイギリスの大学が発見したのです。

巨大ビーバーはどのくらい巨大だったのか?

巨大ビーバーの見た目的には2つの重大な違いをのぞいたら現代のビーバーとほぼ同じです、それと大きさは大分違いました、巨大なビーバーは100キログラムもあったようです。この時代に存在したと言われている巨大なビーバーの一つ目の違いは、現代のビーバーに見られる象徴的なパドル型の尾を持っていなくて、その代わりにそれはマスクラット(ねずみ)のように長く細い尾を持っていたと考えられます。

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もう一つの違いは歯です。現代のビーバーは鋭い切歯(前歯)を持っていますが。巨大ビーバーの切歯は大きくて湾曲しており、あまり鋭くなかったと考えられます。この種のビーバーは1万年前に突然絶滅しました。巨大ビーバーの絶滅の時期は、氷河期を象徴するマンモスを含む他の多くの体の大きい動物が絶滅した時期と一致しています。しかし今まで科学者たちは巨大なビーバー類が絶滅したかという理由が判明していなかったのです。

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どうして巨大ビーバーは絶滅したのか?

どうして巨大ビーバーが絶滅したかを説明するためには、我々は巨大ビーバーがどのように生きたかを理解する必要があります。絶滅した理由は食料を食べ果たしたからか?生き残るには寒すぎたり暑すぎたりしたのか。ある研究では、巨大ビーバーは気候が暖かく湿ったときに繁栄したことがわかりました。そして巨大ビーバーの化石が古代の湿地からの堆積物に最もよく見られることに気づきました。

巨大ビーバーは現代のビーバーの様に木も切ったりしたのか、それとも全く違う何かを食べていたのか?しかし、巨大ビーバーが現代のビーバーのように生き残るなんて誰も知る余地はなかったのです。

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化学的観点から、”You are what you eat”(人は食によって決まる!)というように動物が消費する食物には、骨などの体組織に取り込まれる安定同位体と呼ばれる化学的特徴が含まれています。これらの同位体特徴は、何万年もの間、時間が経っても変わる事がなく、過去の生態を調べる事に役立ちます。

巨大ビーバーがどのような物を食べていたかを理解するために安定同位体を使用した研究は他にはありません。イギリスロンドンのウエスタン大学研究チームは5万年から1万年前にユーコン州とオハイオ州に住んでいた巨大なビーバーの化石骨を研究して、古代の骨組織の安定同位体の特徴を調べました。

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木本植物に関連する同位体の特徴は、水生植物に関連するものとは異なります。巨大ビーバーが木を切ったり食べていないことを発見し、そのかわりに水生植物を食べている事が判明しました。これは、巨大ビーバーが現代のビーバーのような「エコシステムエンジニア」ではなかったことを強く示唆しています。

それはすなわち巨大ビーバーは氷河期に食べ物のために木を切ったり、巨大なロッジやダムを建てることはなかったという事になります。その代わりに、水生植物を食していた巨大ビーバーは捕食者としてとビーバーを捕食する動物から逃げる為に湿地生息地に住んでいたと言われています。そしてそれは気候変動に対しての影響が強いとも見れました。

暖かく乾燥した気候へと変わっていった

1万年前の最後の氷河期が終わる頃には、気候はますます暖かく乾燥し始めて、その影響は湿地の生息地にも来ていて湿地帯も乾燥し始めてました。現代のビーバーと巨大なビーバーは何万年もの間景観上に共存していましたが、生き残ったのは1種だけでした。ダムやロッジを建てる能力が、現代のビーバーに巨大ビーバーよりも生存する競争上の優位性を与えたかもしれません。その鋭い歯で、現代のビーバーは自分達が必要とするところに適切な湿地生息地をつくる事にたけていたのです、それを巨大ビーバーはできなかったのです。

これが全て、多くの研究者グループが何十年にもわたって取り組んできたというパズルに当てはまります。マンモス、マストドン、巨大ナマケモノなどの大型種達もほぼ同時期に姿を消しました。現在にある証拠は、気候変動と人間の影響の組み合わせがこれらの絶滅の原動力となっていることを示しています。絶滅の危機に瀕している動物の生態学的な脆弱性を研究することは確かに難しい挑戦になりますが、過去または現在のすべての種に対する気候変動の影響を理解することは重要です。

まとめ

 

References: Livescience, Earth Sky, Scientific American

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