今回の研究は人格と社会心理学Bulletinの新しい研究で、人々は社会的脅威に直面した後により悪意面のクリエイティビティ(創造性)を解き放つと言う事が分かりました。暗黒面って言われると何か現実的な話ではなく中二病な話に聞こえてきますが、この研究は一体どう言う事を明らかにしたのでしょうか。
悪意面のクリエイティビティ(創造性)とはなんなの?
社会的脅威が悪意面のクリエイティビティ(創造性)を解き放つと言われていますがその悪意面のクリエイティビティ(創造性)についてアムステルダム大学の研究著者Matthijs Baas氏は、次のように述べています。
「私たちは創造力の為の能力が多くの前向きな結果をもたらしたことを知っています。しかし、私たちの創造力は、もっと暗い用途にも適用されています。例えば拷問の発明、他人をいじめる新しい方法、詐欺を犯して隠すための独自の方法など。私はどのような要因が悪意面のクリエイティビティ(創造性)の側面を動かすのかについてもっと知りたいと思いました。」
研究者達は、192人の大学生を対象にした研究で社会的脅威の感覚を引き出すために囚人のジレンマゲームを使用しました。ジレンマゲームでは、両方のプレイヤーが協力した場合、彼らはお互いに報酬を受け取ります。しかし、一方が協力し、もう一方が協力しない場合、協力しているプレイヤーは報酬を受け取り、協力しなかったプレイヤーは報酬を受け取れないと言うゲームです。
囚人ゲームの結果は?
研究者達は今回の実験では社会的脅威のレベルを操作しました。他のプレイヤーが協力した場合、社会的脅威のレベルが高い参加者はかなりの金額を失う可能性がありますが、社会的脅威のレベルが低い参加者はわずかな金額しか失う事はありませんでした。
Baas氏と彼の同僚は、社会的脅威のレベルが高い状態にある参加者は、中立的なアイデアよりももっと悪意のあるアイデアを思いつく傾向があることを発見しました。同様に、脅威の高い状態にある人々は、より積極的な交渉戦略を考え出す傾向がありました。
「人間は他の人々に脅かされている時、自己防衛本能が働き、相手を攻撃する事をより動機づけています、それが結果としてもっと悪意のある考えにたどり着きます。そのため、社会的脅威は悪意のある創造性に関わる1つの要因のように思われます」と彼はPsyPost紙に語った。
「我々の調査結果は単純な創造性の課題に基づいています。実験室環境での参加者は交渉方法について考えました。これらの交渉の戦術は、社会的脅威の下でより攻撃的になると」とBaas氏は付け加えました。
「この興味深い発見は悪意のある創造性にいくらかの光を投げかけていますが、現実の世界では悪意のある創造性への大きな飛躍となっています。例えば誰かが新しいテロ攻撃を思い付いたとして、それには他の要因とプロセスが存在します。」
まとめ
悪意面の創造性と聞いた時には一体どのような話なのかと思いましたが、こういう研究により人間の心理的な物とかも明らかになってきてるような気がします。人間は追い込まれると新しいアイディアが浮かぶという事に少し近い気がしますね。この研究が今後どのように役に立つような発見になるのかこれから明らかになってくると思います。
Reference: Psy Post
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